火の力を持つ国王様は愛も熱い


大変な事に気が付いた。

私、ドレスを一人で脱いだ事なかった。
どうしよう…

手の届く範囲の結び目は自分で解けたけど、背中でしっかりと留められている留め具を自分で外せない!

これを着たのはここに到着する直前の宿で、アヴァンカルドの使用人方がドレスの用意と着付けをしてくれた。

これ一人で脱げる人いるの?

カイルが泊まってるお部屋分からないし、このまま寝るわけにいかない…そうだ!廊下を巡回してる護衛兵の方にお願いしよう!

部屋の扉を開けて周りを見渡すと二人巡回している護衛兵がいて私にすぐに気が付いた

「リリィ姫様、どうかされましたか?」

「あ、あのー…ごめんなさい、今お風呂入ろうと思って…そしたら、ドレス脱げなくて」

なんか、上手く説明出来なかった…

「なるほど、お部屋で少々お待ちくださいませ」

「え…」

護衛兵は頭を下げてどこかへ行ってしまった。


え?ちょっとバッと外してくれれば良いのに!


扉を閉めて待っていると、扉がノックされた。

「リリィ姫?困ってるって聞いたけど」

どうしてローレンス様が来るの!?
もう!あの護衛兵の人余計な事!

また他の人呼んでもらってとか面倒だし、ローレンス様にお願いしよう。

扉を開けて扉の前でローレンス様に背中を向けた。

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