火の力を持つ国王様は愛も熱い


お風呂から出てネグリジェに着替えて浴室を出るとローレンス様は部屋の椅子に座って待っていてくれた。

「大丈夫だった?」

「はい…もう寝るだけなので大丈夫です」

「それなら良かった。そしたら僕は部屋戻るよ」


あ…もう戻っちゃうんだ…

ローレンス様が部屋を出ようとした時、私は無意識にローレンス様の腕を掴んでいた。

「ん?……寝るまでいようか?」

今日ずっとあんな態度だったのに寂しいからいて欲しいなんて都合良過ぎて恥ずかしい…

ローレンス様の腕を掴んだまま私は俯いていた。

「大丈夫だよ、不安な気持ちわかるから。寝付くまで一緒にいるからね。ベッド行こうか」

腕を掴んでいた手を外されて手を繋ぐとベッドへと促されてベッドに入った。

ローレンス様はベッドの端に腰を掛けて私の横にいてくれる。

「…私、明日から一人でやっていけるかな…?」

「リリィ姫は一人じゃないよ。僕は何時でもリリィ姫の味方だし、いつも側にいるから」

ローレンス様はそう言うと顔が近付く。

キスされる!?
初めてのキス!?

キュッと目を閉じると額にキスをされた。

額だった…自意識過剰みたいで恥ずかしい。

何だか物足りなくて私はローレンス様の手を掴んだ。

「ローレンス様………今夜は一緒に寝よ?」

「ん…そうだね、そうしようか」

ローレンス様はそう言うとベッドに入って私の頭を優しく撫でてくれた。

そうされるとローレンス様の手が優しくて…ほっとしてすぐに眠ってしまった。
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