火の力を持つ国王様は愛も熱い


「エド……お仕事…」

「大した量じゃないし午後からやればいい。エマとこうしていたい…エマは嫌か?」

エドはそう聞きながら私の手を握って唇にチュッとキスをした。

普段逞しいエドがこうやって甘えてくると胸がギューッとなる。

「嫌…じゃないよ」

「エマ、愛してる」

エドは私のメイド服の前ボタンを外し始めた。



コンコンッ


「……いないふりだ」

「でも…緊急の用だったら…」


また扉をノックする音が聞こえる。

「はぁ……誰だ?何の用だ?用件だけこのまま聞く」

「僕だよ、緊急の用事!エマいるよね?エマに来てもらいたいんだけど」

ローレンス様の声だ。
エドと顔を合わせて急いで外されたボタンを閉めて扉を開けた。

「取り込中…ごめんね?」

「いえっ!取り込んでません!どうされました?」

「えーっと…リリィ姫と上手くやれそうだったんだけど、ちょっとミスしちゃって……顔合わせてもらえなくなっちゃってさ。城内の案内エマにしてもらいたいって言ってて」

対面の時はどうなるかと思ったけど、今日カイル様をお見送りする時にはもう仲むずましいように見えたから驚いた。

するとエドが来て私を引き寄せる。

「ダメだ。自分で解決しろよ、どうせ女関係で揉めたんだろ?あれだけ気を付けろと言ってあったのにリリィ姫が来るまでまだ先だからとか言って女の誘いを受けてたお前が悪い。謝ってこい」

「そんな…まだ女性関係って決まった訳では…」

「もう何度も謝ったよ…」

女性関係だったんだ…

ローレンス様の専属の方また断られてたってすごく怒っていたから…それかな…?

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