火の力を持つ国王様は愛も熱い
並べられた靴の中に昨日履いていたローレンス様からプレゼントの薔薇がモチーフの靴もあった。
余程気に入っているんだろうなと思うと微笑ましかった。
「今日もこの靴履こうと思ったけど…ローレンス様のプレゼントでムカつくので他の靴にしようか悩んでたのです」
「ふふっ、靴に罪はありません」
「…確かに!そうですね!そしたら今日もこの靴履きます」
リリィ姫様は嬉しそうに靴を履く。
靴を履くと何度も見たり、鏡で確認していてその姿が可愛くてローレンス様が気にかけるのがよくわかる気がした。
「お待たせしました!参りましょう」
「はいっ」
一応、一通り御案内をしているけどお喋りをしている時間の方が長かった。
そして、そのままランチにも誘われリリィ姫様の自室で一緒にランチを取る事になった。
「エマさんはエドワード王様と顔合わせないっていう時ありますか?」
「いえっ…いつも優しくして頂いてるので」
「エマさんは大人だから!いいなぁ…ローレンス様もとても優しいのに、私…ローレンス様が他の女性に触れるの見てムカついちゃうんです。私にはローレンス様の夜のお相手するには早いから仕方ないの分かってるのに…大人だったらこんな怒る事なかったのかなぁ」
なるほど…リリィ姫様が怒っていた一番の要因はヤキモチだったんだ。
「私もエドワード王様が他の女性に触れていたらムッとしちゃうと思います」
「本当?」
「はい、好きな人ならヤキモチ妬いても仕方ないですよ」
「好きな…ハッ…別に私はローレンス様の事好きとかじゃないですからっ!勝手に決められた結婚相手ですっ…それで結婚したら…ローレンス様はたくさんの妾を作るんだわ…」
「リリィ姫様…そんな決めつけては…」
ローレンス様には申し訳ないけど、私もそうなるのかと思ってた…。
でも、リリィ姫様を迎え入れた後はリリィ姫様に対して不誠実な事はしないようにしようとしているのが良くわかる。
「だってあんなの絶対モテるじゃないですか… 優しくてマメでモテモテの人はみんな不倫するんです!」
「ローレンス様がおモテになるのは否定しませんが…リリィ姫様が傷付くような事は絶対しないですよ!ローレンス様の事小さい頃から知っていますが、そういう方ではないので…」
「むぅ…それでもとにかく好きとかじゃないですからっ」
ローレンス様の話をしていると扉がノックされ、リリィ姫様の学校説明の時間が来た。