火の力を持つ国王様は愛も熱い


「エマさぁん…学校説明一緒に来てくださいー…一人で行くの不安で…」

「はい!一緒に行きましょう」

「ありがとうー!」

リリィ姫様に着いて王族と王族関係の家の子や一部の貴族のみが通っている学校へと向かった。

私はここへは通っていないので、校内は初めて見たけどすごく豪華。

教室の外で待っているつもりだったけれど、リリィ姫様のお付として中まで一緒に案内されてしまった。

「エマさん、見てください!制服!可愛い!」

「本当、今から着るのが楽しみですね」

男子の制服は昔エドとローレンス様が着ているところを見たことがあったけど、女子用の制服は初めて見た。

白いフリルの着いたワイシャツにグレー地にレースの着いたコルセットのワンピース。
白いシルクのスカーフのリボン。
高級感のあるデザインで王族が通うのに相応しいイメージ通りの制服だ。

リリィ姫様は制服と教科書をもらってから嬉しそうにこれからの学校生活の事について聞いていた。



「リリィ姫様、お荷物お持ち致します」

「自分で持ちたいからいいのっ」

お城に戻る際に制服と教科書に書類をリリィ姫様は自ら持っていて全く持たせてもらえない。

「それに、エマさんには私がワガママ言って来て頂いたのだから!今日は本当にありがとうございます!」

リリィ姫様は可愛い笑顔でそう言ってくれた。


「いえ…そんな…。私、リリィ姫様にはとても感謝しているのでこれでは返しきれないです」

「え?私何もしてないよ?むしろ今日なんてエマさんの事振り回してばっかなのに」

「先日の結婚報告で空気が悪くなってしまった中リリィ姫様が最初にお祝いしてくださって…すごく心が救われました…本当にありがとうございました」

「私、お二人の事すごく応援してますから!早く御結婚してもらいたいです!エマさんが命を掛けてエドワード王様のお側に寄り添うお話感動しました…エドワード王様にはもう絶対ぜーったいエマさんしかいません!」

「リリィ姫様…本当にありがとうございます…あの…私では力不足かもしれませんが、ローレンス様の事でもここでの生活の事でも困った事ありましたら小さな事でもお話ください、相談に乗ります」

「はい!エマさん、早速お願いがあるのですが…」

「なんでしょうか?」

「私と…お友達になってくださいっ」

「へ…でも、私使用人の身なので…」

「関係ありません!それにエドワード王様と御結婚されたら将来私達は義姉妹です、エマさんとお友達になりたいのです!こんな子供がお友達なのはダメですか?」

「いえっそんな事ありません、是非お願いします」

「やったぁ」

リリィ姫様はそう言って嬉しそうに抱き着いてきてくれて、すごく嬉しい。

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