火の力を持つ国王様は愛も熱い


お城に到着するとすぐにいつもエドの周辺を護衛している護衛兵がやってきた。

「お取り込み中失礼致します。リリィ姫様、エドワード王様よりエマを早く戻せとの御言伝がございます…エマを戻しても宜しいでしょうか?」

「あ、ずっと独占しちゃってごめんなさい!それじゃ、エマさん…私、庭園に寄ってお花を見てから戻りますのでここで」

「最後まで御一緒出来ず申し訳ございません、それではこちらで失礼致します」

「ごきげんよう」

リリィ姫様はそう言って手を振ってくれた。

リリィ姫様と仲良くなれて良かった…

私は護衛兵の方とエドの元へと戻った。
エドの自室へ入ると、エドは書斎の椅子で頬杖をついて座っていた。

「遅くなってしまって申し訳ございません」

「…とっくに書類も全部片付いているんだが、なかなか戻って来ないから俺の事忘れたのかと思ったぞ」

エドは少し拗ねた様子でそう言った。

そっか…エドのお仕事が少ない日は滅多にないのに悪いことしゃった…でも、リリィ姫様の事も大事だし…

「ごめんなさい…」

「こっちに来てエマからの口付けで許してやろう」

私はエドの椅子の横へと移動すると腰を引き寄せられてエドの膝の上に座らせられてしまった。

「ひゃっ…これ、ダメだよ…重いから…」

「こんな華奢な身体してんのに重いわけないだろ」

エドの膝の上に乗ったまま腰に腕を回されると、思った以上に近くてドキドキしてしまう。

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