あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる


「おい、いつまで寝ている…起きろ!出かけるぞ。」


翌朝、神宮寺の声が聞こえて目が覚めた。
恐るおそる目を開けると、ベッドの横で腕組みをした神宮寺が立っていた。


「キ…キャー、見ないでください!何で急に入って来るのですか!」


寝起きで、すっぴんの顔を見られてしまった恥ずかしさで、思わず布団の中に顔を埋めた。


「お前、キャーって言うほど、そんなに普段と変わらないぞ…早く用意しろ、リビングで待っている。」


普段と変わらないと言われて、喜ぶべきなのか…いや、むしろ失礼な事を言われている気がする。どちらにしても神宮寺に寝顔を見られたことは恥ずかしく、悔しい。

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