あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
そんなある日、事故が起こってしまった。
今日はとても天気が良く、風もほとんど無い、気持ちの良い日だ。
私は父を車椅子に乗せて、近くの公園に向かっていた。
すると、近くで小学生くらいの男の子がサッカーをしていたのだ。
何気なく、サッカーボールを見ていると、ひとりの子がゴールに向かってシュートを打ったのだ。
しかし、そのボールは大きくゴールから外れて外へと飛び出した。
「…っあ、危ない!」
ボールが私と父に向かって飛んできたのだ。
私は何とかボールを腕で受けることが出来たのだが、その衝撃で車椅子が横に倒れてしまったのだ。
私は慌てて父を、車椅子に戻すように座らせた。
「お父さん!大丈夫?」
すると、その時、耳を疑う言葉が父の口から出たのだ。
「…桜、大丈夫だ。」
「…っえ?今、何と…言いましたか?」
「…桜なんだろ…君は…」
父の口から私の名前が出たのだ。
「…桜、なぜお前は…ここにいるんだ?」
「お父さん!私のことがわかるの?」
父はうっすらと涙を浮かべて、大きく頷いたのだ。