あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる


“カチャン”

静かにドアが閉まる音がして、須藤は病室を出た。
とうとう私は、神宮寺の病室に一人取り残された。


(…なんか、とても気まずいな…)


すると、先に声を出したのは神宮寺だ。


「…桜、いろいろ驚かせて、すまなかったな。」

「神宮寺社長、…無事でよかったです。謝るなんて、社長らしくないですよ。」


すると、何故か神宮寺はクスッと小さく笑ったようだ。


「らしくない…か…本当にそうだな。自分でも驚いているよ。」

「社長、お疲れなんですよ…こんな時くらい、おやすみになってください。」


そして、一度目を閉じた神宮寺だが、何かを思い出したように、もう一度目を開けた。

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