あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる


私はそのまま急いで病室を出た。

何故か、涙が頬に流れ出していた。

やっと私は気が付いたのだ。

神宮寺が目覚めた時に言ってくれた言葉は、すべて神宮寺の同情と責任感から出た言葉なのだと…。

ほんの少しでも、自分を愛してくれていると思った自分が情けなく、悔しい。
自分の滑稽さを笑いたくなる。


もともとは、恨んで憎んでいた男だ。

それなのに、なぜ私は泣いているのだろうか。



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