あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
神宮寺は驚きのあまり、そのまま固まってしまった。
そして、次の瞬間、両手で顔を覆った。
しかし、隠しきれない耳が真っ赤になっている。
「さ…さ…桜、いきなり何を言うかと思えば、あんまり俺を驚かせないでくれ。」
「べ…別に…ただ、神宮寺社長が…困っているから、助けようと思って。」
神宮寺は、ベッドの横に立っている私に手を伸ばした。
そして、腕を掴むと、いきなり自分の方へと引き寄せた。
私が声を出そうとしたその時、神宮寺の唇で私の声は塞がれた。
抵抗したが、神宮寺に後頭部を押さえられていて身動きが出来ない。
深い口づけに息が出来ず、窒息しそうになる。
「ん…ん…ん!」
必死で抵抗する私に、やっと神宮寺は唇を離してくれた。
「…桜、お前が俺と結婚したことに、後悔させないからな…そして、お前は絶対に俺を愛するようになる。」
なんという自信過剰な発言なのだろう。
驚きよりも、呆れてしまうほどだ。
ただ…神宮寺はそのセリフが悔しいほどに似合ってしまう男だ。