あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる
「お疲れ様です。神宮寺社長。」
先に挨拶したのは、鳴海の方だ。
悠斗さんは、無表情で返事を返した。
「あぁ、お疲れ様。…君は確か、営業部の鳴海君だね。」
鳴海は、無表情の悠斗さんに対して、笑顔で話を始めた。
「神宮寺社長に、名前を覚えて頂き、光栄です。…でも、そんなに伊織さんがご心配なのですか?あのクールで有名な神宮寺社長が、お店まで追いかけて来るとは、驚きですね。」
「…なんだと!」
悠斗さんは、眉間に皺を寄せて、鳴海を睨んだ。
「鳴海君、俺と桜の関係を知っていて、わざと俺を呼び出したのか?」
鳴海は下を向きながら、クックッと不気味な笑い声をあげた。