【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜

麻衣SIDE②

【麻衣SIDE】



「一織、今何してるのかな……」

 一織が潜入捜査に出てから早くも四日目になる。 相変わらず一織からの連絡はない。
 メッセージを送ってはみたものの、既読を付けてもらえていない。 一織のことが心配なのに、私には何も出来ないのが悔しい。

 一織が前に潜入捜査をしていた時は、二週間も帰って来なかった。 でもやっぱりその時も、一織からの連絡は全くなかった。
 メッセージを送ったけど、返信はなかったのだ。 一織は心配するなといつも言うけど、心配しない訳がない。

 大好きな人から連絡をもらえなかったら、寂しいに決まってる。
 一織、いつ帰ってくるのかな……。早く会いたいよ、一織。

「麻衣ちゃん、代わるよ。休憩行ってきて」

「あ、ありがとうございます」

 休憩に入るタイミングで、受付を代わってもらった。 私は普段クリニックで受付担当として働いている。
 
「休憩行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 お弁当を持ち、休憩室へと向かう。 その途中、スマホを何気なく開く。

「……やっぱり来てないか」

 スマホを開いても、一織からの連絡はやっぱりない。

「連絡する暇もないのかな……一織」
< 11 / 54 >

この作品をシェア

pagetop