【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜


 麻衣の顔をよく見ると、泣きそうになっている。 潜入捜査や張り込みなどの後はいつもそうだけど、そんな麻衣が愛おしくて仕方ないんだ。

「そうだ。 一織、肉じゃがとお味噌汁、作ったよ」

「ほんとに作ってくれたのか?……嬉しいよ、麻衣。ありがとう」

 思わず麻衣のことをギュッと抱きしめる。

「うん。……もう食べる?お腹空いた?」

「ああ、腹減った。 食べるよ」

「じゃあ、温め直すね」

 俺は麻衣が夕飯の用意をしてくれている間、部屋着に着替える。
 麻衣が部屋着を洗ってくれているおかげか、いつもの柔軟剤の香りが部屋着から漂った。

「これこれ、この香りだ」

 麻衣と俺のお気に入りの柔軟剤の香り。二人で選んで買った柔軟剤だけど、今でもすごくお気に入りのヤツ。
 この柔軟剤の香りを嗅ぐだけで、なんかホッとして安心するんだ。

「一織、ご飯出来たよ?」

「……おう。今行く」

 麻衣のヤツ、枕カバーも洗ってくれてたのか。本当に気が利くな、麻衣は。 
 俺のために、ここまでしてくれるなんてな。……俺にはもったいないくらい、素敵な人だ。

 麻衣に感謝しないとな。
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