【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
「麻衣、明日はデートでもするか」
「え? 明日休みなの?」
麻衣の作った肉じゃがを食べながら、俺は麻衣にそう言ったんだ。
「ああ、潜入捜査の後だからな。 明日は非番なんだ」
「そっか。 でも一織、潜入捜査で疲れてるでしょ?無理にどこか行かなくても、大丈夫だよ」
心の優しい麻衣は、俺にそう言ってくれる。 多分麻衣は、俺に気を遣ってくれているのだろう。
「大丈夫だ。 麻衣と最近あまりデート出来てなかったし、どこか出掛けよう」
「でも……いいの?」
「いいに決まってるだろ。……麻衣にはいつも心配かけちゃってるし、たまにはそのお礼くらいさせてくれ」
麻衣には笑っていてほしいから、いつも。麻衣が喜んでくれるなら、それで嬉しいんだ。
「……うん、分かった。 じゃあ、どこか出掛けようか」
「麻衣はどこに行きたい?」
お箸を置いた麻衣は、うーん……と考え込む仕草を見せる。
「じゃあ、アウトレットモールに行かない?」
「アウトレットモール?」
「うん。 二週間前に出来たの、アウトレット」
そうなのか……。それは知らなかったな。