【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
「一織見て。このクッションカバー可愛い」
「麻衣が好きそうなデザインだな」
「うん、こういうの好き」
雑貨屋で可愛いクッションカバーを見つけた私を、一織はなんだか幸せそうに見ている。
「麻衣が欲しいなら、買えばいいよ」
優しい一織は、そう言ってくれる。
「買っていいの?一織」
「ああ、いいよ」
もう、一織って何でそんなに優しいのだろう。 本当に優しすぎるって、一織。
「ありがとう。 どっちにしようかな」
「好きな方にしたらいいよ」
そう言われても、悩むものは悩むのだ。
「一織はどっちがいいと思う?」
「俺はそうだな……。こっちかな」
「私もそっちにしようと思ってた。同じだね」
一織と同じ考えだと、嬉しいと思うのは私だけかもしれないけど、本当に嬉しい。
「じゃあこっちにしようか」
「麻衣はそっちで良いのか?」
「うん、いいよ。 私、会計してくるね」
クッションカバーを二つ手に取り、レジカウンターへと並ぶ。
数分後、会計を済ませた私は、一織の元へと向かう。
「お待たせ、一織。買えたよ」
「おう」