【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
紙袋を手に、私たちは再び歩き出す。
「一織、お昼ご飯どうする?もう食べる?」
「そうだな。 お腹空いてるか?麻衣は」
「うん、まあ空いてるかな?」
なんて会話をしながらベンチに座り、二人でマップを見ていく。
「一織、何食べたい?」
「色々あるんだな、ここ」
「ね、悩むよね」
ここもいいし、これもいいね。なんて話しているとーーー。
「きゃあああああ……!!」
突然、大きな叫び声がアウトレット内に響いてきた。
「え、何!?」
「今叫び声がしたよな……!?」
私たちは声のする方へと走り出した。
「っ!……一織!あれ見てっ!?」
声のする方へに走っていくとーーー。
「おい、なんだあれ!?」
「きゃあああ……!?」
女性を一人、人質に取ってナイフを向けている男性がそこにいたのだ。
「おい!近付くな! 来たらこの女を殺すぞ!」
ナイフを向けている男性は、年齢は20代前半くらいで、お店のスタッフの女性を人質に取っていた。
女性の首筋にナイフを向けているその男性は、興奮気味になっているようにも見えた。