【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
「一織……」
「分かったか?麻衣」
俺はそう麻衣に問いかける。
「……うん、分かった」
麻衣は静かに頷く。
「一織、お願いだから……無茶しないでね」
「分かってる。 みんなを逃したら、お前も絶対に逃げろよ」
「……分かった」
麻衣は俺を心配している。それは分かってる。
でもこれは、俺の警察官としての仕事だ。身体を張って誰かを守るのは、警察官としての立派な仕事だから。
それから数分後、パトカーのサイレンがアウトレット内に響いてきた。
どうやら、警察官がここに到着したようだ。
「麻衣、警察でアイツらを引き止める。他の警察官と一緒に必ず逃がせよ」
「分かってる」
そして到着した警察官が、一斉に現場に入ってくる。
「待たせたな、一織!」
「来栖(くるす)さん!来てくれてありがとうございます」
来栖さんはここから近い警察署の刑事で、前に捜査で一緒になったことのあるベテラン刑事だ。
「犯人は?」
「このフロアで、女性を一人人質に取っています。後、ナイフを所持しています」
「分かった。……ここは慎重にいかないとか」
「はい」