【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
連絡が取れなくなった……。そしてお金まで……?
「持ち逃げって……いくらですか?」
「……お前はいちいち質問が多いんだよ! お前は人質なんだから、黙っとけよ!」
犯人は私の首に、再びナイフを突きつけてくる。
「……っ!」
もしかして……私が時間稼ぎしてることが、バレた?
一織たちが少しでもなんとか出来るように、私は彼に質問をして時間稼ぎをしていたのだけど、もうそれも限界みたいだ。
多分このままじゃ、私はこのナイフで刺される気がする。
犯人を下手に刺激したら、どうにでもなると一織はいつも言っていた。
「……もうこんなこと、やめませんか」
「黙ってろよ、うるせぇな!」
ダメだ、この人は完全に怒ってる……。
「お前、次何か言ったらマジで殺すからな?」
そう言われた私は、恐怖に駆られた。 何も言えなくなった。
「……っ」
一織……。お願いだから、早くなんとかして……。
このままじゃ私、死ぬかもしれない……。
そう思いながら、私は一織たちに視線を向ける。 一織たちは、遠目からこちらの様子を伺っていた。