【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
犯人は私を縛り付けたまま、倉庫の扉を閉めてしまった。
ーーー私は、閉じ込められた。
「誰か!誰か、助けてください!」
そこから叫んでみたけれど、閉じ込められている私には、聞こえているかなんて分からない。 だけど必死で叫んだ。
「誰か助けてっ……!! お願いっ!」
ダメだ……。全然聞こえているのか分からない。
「一織……!! 助けてよ、一織……!!」
やだよ、一織……。会いたいよ、一織!助けて……。
「っ……一織っ……」
私は途方にくれた。身動きも取れず、ただそこに閉じ込められていることだけしか出来ない。
なんとかして、ここから脱出したいけど……。出来るかな。
「何かないかな……っ」
なんとかして脱出出来る方法を考えないと……。一織が私を待ってる。
「っ、ほどけないっ……」
どう頑張ってみても、縄をほどくことが出来ない。 どれだけぐるぐる巻いたのよ、あの人!
キツすぎるって……!もう!
「一織ぃー……!!一織助けて! お願いっ!!」
届くか分からないその声で、私は掠れながらも懸命に一織の名前を呼んだーーー。