【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜

麻衣SIDE⑥

【麻衣SIDE】



「……んっ……」

「……麻衣? 麻衣!?」

 どのくらい眠っていたのかなんて、分からない。
 だけど、私はゆっくりと目が覚めた。

「一織……?」

 頭の中で、一織の声が聞こえたような気がしたけど、それは間違いないかもしれない。
 今目の前には、私の大切な一織がいる。

「麻衣、良かった。目が覚めたんだな」
 
「一織、私……」

 一織は心配そうに、私を見つめていた。

「麻衣、殴られたみたいだから念の為脳の検査したけど、特に異常はなかったってさ。 良かったな」

 一織はそう言って、私の頭を撫でてくれる。

「……うん。ありがとう、一織」

 麻衣はベッドからそっと左手を出すと、俺のその手を握ってきた。  

「一織……犯人は……?」

「犯人なら、もう逮捕された。麻衣への誘拐罪と、監禁罪も追加しておいたから」

「……そっか。良かった」
 
 犯人、逮捕されたんだ……。良かった。

「麻衣、本当に良かった」

「……心配かけて、ごめん」
 
「もういいんだよ、こうして無事だったんだから」

 一織は優しいし、本当に頼りになるよ。
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