【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜

一織SIDE⑥

【一織SIDE】



「お、お疲れさん」

「お疲れ様です」
  
 アウトレットモール内で起きた事件が解決してから、早いことに二週間が経った。
 あれから麻衣はすっかり元気でいる。

「お、一織じゃねぇか」

「え、来栖さん? 何でここに?」

 アウトレットモールでの立て篭もり事件の時にお世話になった来栖さんが、俺が所属する警察署に来ていた。

「昨日起きた身元不明の遺体事件の捜査でな。合同捜査になるみたいで、俺たちの班も呼ばれた」

「そうだったんですか。 であの例の結婚詐欺の事件、どうなったんですか?」

「あの女、ついに自供した。金を持ち逃げしたことも自供したよ」

 お、ついに自供したのか……。むしろ容疑を否認してたって聞いたから、どうなるのかと思ったけど。

「そうですか」

「持ち逃げした金の隠し場所も吐いたよ。その通りの場所にあった」

 持ち逃げした金も見つかったのか。それは良かった。
 まあアイツもある意味、被害者だしな……。麻衣にあんなことしたのは許せないけど、こればかりはな……。

「被害者に無事に、金は返ってきた。 まあアイツは、恐らく執行猶予が付くだろう」
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