【完結】恋の恋愛包囲網〜刑事編〜
「じゃあもっともっと頑張らないとだな、一織!」
「はい。ですね」
「そうか……。お前も父親になるのか」
来栖さんは昔から俺のことを知っているからかもしれないけど、時々父親みたいに俺を思ってくれるから、そういう所も好きなんだ。
「まだ全然、実感湧かないです」
「腹がデカくなれば、実感は自然と湧いてくるさ」
「そうですか。……俺、子供のためにもっと頑張りたいです。 産まれてくる子供に恥じないように、立派な警察官になりたいです」
子供が男だったら、誇れるようにそんな警察官になりたいなと思う。
カッコいいと思われたい気持ちももちろんあるけど、子供が大人になっても勇気のある子になってほしいなって、俺は思う。
「じゃあそうなるように、お前ももっといい警察官にならないとな」
「ハハッ……頑張ります」
そしていつか、俺みたいに大切な人を全力で守れるような、そんな男になってほしい。
大切な人を守ることって、そう簡単に出来ることじゃないけど、立派なことだから。
産まれてくる子供が、男だったらいいな。
そしたら、俺と同じで警察官になってくれるかもしれないからな。……なんてな。
【THE END】