幸せは君を殺す
「じゃあ、大人しくしとくんだぞ」
「…はい」
監督が受付に話をしに後ろ姿を見ながら、小さい声で返事をする
全治6ヶ月。
県の予選試合まで、あと3ヶ月。
「なんで、このタイミングなんだよ!くそっ!」
ゴンッ
左肘を椅子の背もたれにぶつけて、神経が痺れるように痛む。
「いっ、、」
肘の痛さに顔を歪ましてしまう。
痛む肘を摩りながら、不意に左側を見ると外に繋がるドアがあった。
「…頭冷やそ」
俺は誰かに言うわけでもなく、まだ動きにくい松葉杖を使って外に出た。