少女端末
「ねぇねぇ大田さん。」


朝、登校してきたところに数人のクラスメイトが近寄ってきた。

「はい?」

面倒なことにならないといいけど、と思いながら席に着いた。

クラスメイトたちは私の席を取り囲んだ。


「大田さんて町田先生と仲良いの?」


やっぱりか。

昨日、先生と話していた時、こちらを見ている子たちがいたのには気付いていた。


「去年も先生のクラスだったんだっけ?」

「何かあるの?」


何かあってほしいんだな、と思いながらも口には出さない。

だから私は大人しい子だと思われているのだろう。

第一、『何か』って何?

逆に訊いてやりたいが、喧嘩を売ったところで何の特にもならない。

馬鹿馬鹿しいけれど、こういう場合には適当に穏便にあしらわなければならない。





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