少女端末

女子校

「同じクラスだよ~。」


そう言って笑っているのは、去年も同じクラスだった原さんだった。


「おはよう。・・・っていうかやえたんって・・・。」


原さんは明るくて面白くて、クラスの中でも中心にいるような人だ。

だが特に目立つわけでもない私に、なぜかやたら絡んでくる。

去年は普通に名字で呼ばれていたはずだ。


「今年も同じクラスなんて運命としか思えないよね!よろしくね。」


不思議な人だ。

悪い人ではないし、ただ人懐っこいだけなのだろうけど、どうも身構えてしまう。


「うん・・・。よろしく。」

「じゃ、同じクラス記念の写メね!」


はい?


私が何か言う前に、ピロリン、と音がした。

本当に撮られてしまったしい。



「モテモテだねぇ。」


原さんが上機嫌で去って言った後、そう声をかけてきたのはレナだった。

レナは中1のときからの友達だ。


「気に入られちゃったんじゃない~?」

「レナ・・・冗談じゃないよ。」

「このクラスはかなり面白いよ。私ついてるな~。」


経験上、レナの言う「面白い」には不穏なものが含まれていることが多い。

だが、確かに退屈はしなさそうな気がした。
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