義理の弟と拗らせ中。
「ねぇ、雑誌見た?」
「見た見た!超かっこよかったよね!!」
「やっぱり立花優斗推せるわ!」


クラスのカースト上位にいる女子達が騒いでいる。

ふふっ、そうであろうそうであろう。
うちの由宇は世界一可愛くて世界一かっこいいのだ!

私は頬がにやけて止まらない。
そのまま話を聞いてニヤニヤしていると、
前の席からデコピンが飛んできた。

「いったぁ……」

「こら美香!ニヤニヤしてないで私の話を聞いてよ!!」

そう言うのは、小学校からの友達で今では親友の友川 亜衣だ。

「ごめん、今、愛しの名前が聞こえてしまったもんで。」

「あぁ、そっか。今日弟くんが表紙になった雑誌の発売日だっけ?」

「そう。もうすでに5冊予約済み。」

「そんなに買ってどうすんのよ。」

「どうするって、保存用と鑑賞用と持ち運び用と……」

「ごめんって!私が悪かったからやめよ?」

まだ言い切ってないのに。
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