義理の弟と拗らせ中。
亜衣は私の弟がモデルの立花優斗ということを知っている数少ない人物だ。

そして、姉弟そろってブラコンとシスコンを拗らせているということも。

「そういえば、今日家に弟くんがいるんだって？」

「そう。1週間ぶりだから興奮しちゃって。」

「なるほどね。それでちゃんと寝れなくて目の下に隈を作ってるわけだ。」

亜衣は呆れ顔でそう呟くと、

「ま、頑張れー。」

と言って前を向いた。

帰りのホームルームが終わった。よし！帰るぞ！！

「亜衣！先に帰る！」

「はいよー！」

猛ダッシュで階段を駆け降りて靴を履き替えて昇降口を出る。
私が出るのが早すぎて周りには誰もいない。

すると、校門に人影が見える。
誰だ？私服っぽいしうちの生徒じゃなさそう。帽子と眼鏡のせいで顔も見えない。

その人はこっちを見て何かに気づき、私に近寄ってくると、帽子と眼鏡を外した。
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