義理の弟と拗らせ中。

「由宇！？」

そこにいたのは、家にいるはずの私の弟。
立花由宇だった。

「姉ちゃん！会いたかった！」

思いっきり抱きしめられたので、こっちも抱きしめ返す。

「私も会いたかったよ由宇！でもなんでここにいるの？」

「姉ちゃんに早く会いたかったから！」

満面の笑みで言われて、私はなす術もない。

あ！そういえばここ校門だ！
昇降口を見ると、ぞろぞろと生徒が出てきている。

とりあえず、由宇には帽子と眼鏡を被せてここから退避した。

「由宇、どうやって来たの？」

「マネージャーさんに送ってもらった！」

ほら！と由宇が指差したほうを見ると黒い車から見覚えのある顔が覗いていた。

「黒澤さん！」

彼は由宇のマネージャーであり、由宇の身の回りの管理もやってもらっている。

「すみません。いつもありがとうございます。」

「いいえ、由宇のメンタルケアも私のお仕事なので。」