義理の弟と拗らせ中。
そろそろ機嫌を直してあげようかな。

「ねぇ、由宇?」

「んー?」

「私ちょっと眠いから膝貸してほしいなぁ。」

「どうしよっかな。姉ちゃんはかっこいい俺の方が好きみたいだし。」

「ごめん、由宇。もう雑誌は読み終わった。だから今の由宇に甘えさせてください。」

「しょうがないなー。」

由宇からの許しが出たので、
「じゃ、失礼します。」と頭を由宇の腿に乗せた。

由宇の腿は私の特等席だな!
それにしても、由宇の体温、温かいなぁ。
そう思った5分後には、夢の中に入っていた。


〜由宇〜

美香のやつ。5分で寝るとか警戒心なさすぎなんじゃねーの?

美香の髪を解くと、さらさらと俺の指を滑っていく。触り心地がいい。いつまでも触っていたい。

美香の目の下には隈があった。
これじゃ寝ちゃうのもしょうがねぇってか?
おおかた、俺に会えるからって興奮して寝れなかったんだろう。

「美香。これじゃ何されても文句言えねーぞ?」

その独り言は、誰にも聞かれることはなく、静かに消えていった。
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