義理の弟と拗らせ中。
「ねぇねぇ、由宇くんって優斗くんだよね!」

「それが?」

「やっぱり実物は写真よりもっとかっこいいね!」

「あっ、そう。」

これは、完全に怒っている。
人が多いせいであそこから動けないんだ。
私もここから先は行けそうにないし、流石に諦めるかと思ったその時だった。

「あれ、姉ちゃん?」

その瞬間、由宇の周りがざわめき出す。

「ねぇ、そこ、どいて。」

由宇がそう言うと、流石の女子達もどけていく。

由宇の目が私の目と合って、由宇がこっちに歩いてくる。

「由宇!」

抱きつくのを堪えてそう言うと、由宇は私に微笑みを返した。
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