貴方の残り香〜君の香りを狂おしいほど求め、恋しく苦しい〜
真梨子は部屋を漂う、美味しそうな匂いで目を覚ます。しかし体が怠くて、ベッドの中で動けず丸まっていた。
「おはよう、真梨子」
隣では譲が肩肘をついて横になりながら、満面の笑みを浮かべて真梨子の髪を撫でている。
「ねぇ……私セックスするのが久しぶりって言ったわよね……それなのにちょっと回数が多くない?」
口を尖らせる真梨子が可愛くて、譲はすかさずキスをする。ゆっくり味わうように舌が絡み、真梨子は思わずうっとりと目を閉じた。
年甲斐もなく、恋する少女のようなときめきを感じている。
「俺だって久しぶりだったよ。でもほら、俺って真梨子中毒だからさ、つい止まらなくなっちゃったんだ。なんならまだしてもいいけど」
これだけしたのにまだ出来るの……? 真梨子はため息をつく。
「……せめて夜にしてくれる? さすがに休憩したいわ」
「あはは! 了解」
ふとテーブルの上を見ると、美味しそうな料理がたくさん並んでいた。
「……もしかしてルームサービス頼んでくれたの?」
「まぁね。きっと真梨子は動けないんじゃないかと思って」
譲はニヤニヤしながら真梨子を眺める。そして愛おしそうに唇を重ねた。離れようとすると、今度は真梨子が譲の首に腕を回す。
「ま、真梨子?」
「……ルームサービス、ありがとう……。ちょっと怠かったから助かったわ……」
恥ずかしそうに呟く真梨子を、譲は顔を真っ赤にして見つめる。
「ねぇ……真梨子……」
しかし真梨子が手を出して制止する。
「夜って約束したでしょ」
「……だよね。うん、そういう真梨子が大好きだよ」
譲はベッドから立ち上がると、クローゼットからローブを取り出して着る。そしてもう一着を真梨子に手渡した。
「ありがとう」
「いいえ。まぁ俺としては裸でもいいけど」
譲の言葉を無視してローブを羽織ると、腰紐を結んだ。
「こうして二人で朝まで一緒にいるのって、あの日以来だよな」
「……クリスマスの旅行よね。覚えてる」
一度だけ譲に誘われて、彼の車で一泊で千葉の房総へ行ったことがあった。観光をして、クリスマスディナーを楽しんでから、二人で朝を迎えたのだ。だけど朝まで一緒に過ごしたのはその日だけ。
楽しかった記憶が蘇り、真梨子は笑顔になる。
すると譲は真梨子を抱き上げソファに座らせた。
こんな年になってもお姫様抱っこが嬉しいなんて、なんだかくすぐったい感じ……。
譲の行動は私への心を感じるの。彼の自己満足ではなく、私を思い遣っての優しさに、胸が熱くなった。
「おはよう、真梨子」
隣では譲が肩肘をついて横になりながら、満面の笑みを浮かべて真梨子の髪を撫でている。
「ねぇ……私セックスするのが久しぶりって言ったわよね……それなのにちょっと回数が多くない?」
口を尖らせる真梨子が可愛くて、譲はすかさずキスをする。ゆっくり味わうように舌が絡み、真梨子は思わずうっとりと目を閉じた。
年甲斐もなく、恋する少女のようなときめきを感じている。
「俺だって久しぶりだったよ。でもほら、俺って真梨子中毒だからさ、つい止まらなくなっちゃったんだ。なんならまだしてもいいけど」
これだけしたのにまだ出来るの……? 真梨子はため息をつく。
「……せめて夜にしてくれる? さすがに休憩したいわ」
「あはは! 了解」
ふとテーブルの上を見ると、美味しそうな料理がたくさん並んでいた。
「……もしかしてルームサービス頼んでくれたの?」
「まぁね。きっと真梨子は動けないんじゃないかと思って」
譲はニヤニヤしながら真梨子を眺める。そして愛おしそうに唇を重ねた。離れようとすると、今度は真梨子が譲の首に腕を回す。
「ま、真梨子?」
「……ルームサービス、ありがとう……。ちょっと怠かったから助かったわ……」
恥ずかしそうに呟く真梨子を、譲は顔を真っ赤にして見つめる。
「ねぇ……真梨子……」
しかし真梨子が手を出して制止する。
「夜って約束したでしょ」
「……だよね。うん、そういう真梨子が大好きだよ」
譲はベッドから立ち上がると、クローゼットからローブを取り出して着る。そしてもう一着を真梨子に手渡した。
「ありがとう」
「いいえ。まぁ俺としては裸でもいいけど」
譲の言葉を無視してローブを羽織ると、腰紐を結んだ。
「こうして二人で朝まで一緒にいるのって、あの日以来だよな」
「……クリスマスの旅行よね。覚えてる」
一度だけ譲に誘われて、彼の車で一泊で千葉の房総へ行ったことがあった。観光をして、クリスマスディナーを楽しんでから、二人で朝を迎えたのだ。だけど朝まで一緒に過ごしたのはその日だけ。
楽しかった記憶が蘇り、真梨子は笑顔になる。
すると譲は真梨子を抱き上げソファに座らせた。
こんな年になってもお姫様抱っこが嬉しいなんて、なんだかくすぐったい感じ……。
譲の行動は私への心を感じるの。彼の自己満足ではなく、私を思い遣っての優しさに、胸が熱くなった。