貴方の残り香〜君の香りを狂おしいほど求め、恋しく苦しい〜
社長室の窓から見える景色に、真梨子は息を飲んだ。こんな景色を日常的に見られるなんて……窓に近寄り、眼下の夜景に見惚れていると、背後から譲に抱きしめられる。
「なかなかいい眺めだろ? あっちのホテルには敵わないが」
「えぇ、素敵……」
「真梨子も負けないくらいキレイだけど」
耳元で囁かれた譲の言葉がくすぐったくて、真梨子は恥ずかしそうに顔を背けた。するとその視線の先に、テーブルの上に並ぶ料理の数々が見え、そこでまた歓喜の声を上げた。
「すごい……!」
「温かい料理じゃなくて申し訳ないが……」
そう言いかけた譲に、真梨子は自ら抱きついた。
「……そうじゃなくてね、こんなふうに準備してくれたのが、すごく嬉しいの……! クリスマスなんて、もうずっと一人で過ごしてた。今年も一人だと思っていたから……一緒に過ごせることが嬉しくて……」
譲は真梨子を抱き上げると、料理が並んだテーブルの前のソファに座らせる。その隣に腰を下ろすと、氷の中で冷やされたシャンパンを手にとり、栓を開けた。
「付き合って最初のクリスマスだよ。一人にするわけないじゃないか」
グラスにシャンパンを注ぐと、片方を真梨子に手渡す。
「二度目のクリスマスに乾杯」
グラスを合わせた後、真梨子はシャンパンを口に含み、改めてテーブルの上の料理に目をやった。
真ん中には五段のケーキスタンドがあり、そこにはオードブルやケーキなどが並んでいた。
「アフタヌーンティーみたいね」
「そうなんだ。今日までホテルで出していた、クリスマス限定のアフタヌーンティーのメニューを届けてもらったんだよ。これなら冷めても美味しいかなと思ってさ」
「可愛い……平日は仕事だし、なかなかホテルのアフタヌーンティーに行こうなんて思いつかないのよね」
真梨子がどれから食べようか悩んでいる姿を、譲は目を細めて見つめていた。その視線に気付き、少し戸惑いながらスコーンに手を伸ばす。
「……何? そんなに見られると食べにくいんだけど……」
「うん……初めてのクリスマスを思い出してた。楽しかったよな……観光して、昼は確かご当地ラーメンだった! それから朝まで真梨子を抱き続けた……」
「そうね……」
笑みが溢れた真梨子の口を塞ぐと、譲はそのまま彼女をソファに押し倒す。そのキスに応えるように、真梨子も譲の背中に手を回し、口を開いて彼の熱を受け入れていく。
呼吸を乱した譲は、真梨子を見下ろしながらスカートを捲り上げる。しかし真梨子は慌ててその手を止める。
「こんなところで……⁈」
だが譲の手は止まらず、真梨子ストッキングの上を撫で始めた。
「いいんだよ……ここに座るたびに、真梨子の乱れた姿を思い出すなんて最高じゃないか」
「あなたね……」
すると譲がニヤッと笑って、真梨子の唇を舌でなぞる。
「なぁ真梨子。俺と勝負しないか?」
「勝負? どんな?」
「これから俺が十分間、真梨子を気持ち良くさせる。真梨子がその間に絶頂をむかえるか、俺を欲しがったら、俺の勝ち。我慢出来たら真梨子の勝ち。負けた方は、勝った人の言うことを何でも聞く」
「何でも?」
「そう。どう? 勝負する?」
真梨子は口を閉ざして悩んだ。何でもだなんて、魅力的なお誘い。でも十分も我慢出来るかしら……。
「……せめて五分にして。それとも五分じゃ私をイカせられない?」
真梨子が不敵な笑みを浮かべると、譲は居ても立っても居られず、貪るようにキスを繰り返す。
「品行方正な真梨子のセリフとは思えないくらい……ゾクゾクするよ。いつからそんな魅惑的な女になったんだい?」
「……あなたの前だけよ。こんなこと、譲以外の人に言わないし、言ったこともないわ」
「いいね……じゃあ五分後、その可愛い口から甘い声をたくさん聞かせてもらうことにしよう」
譲はスイッチが入ったように、唇を舌舐めずりした。
「なかなかいい眺めだろ? あっちのホテルには敵わないが」
「えぇ、素敵……」
「真梨子も負けないくらいキレイだけど」
耳元で囁かれた譲の言葉がくすぐったくて、真梨子は恥ずかしそうに顔を背けた。するとその視線の先に、テーブルの上に並ぶ料理の数々が見え、そこでまた歓喜の声を上げた。
「すごい……!」
「温かい料理じゃなくて申し訳ないが……」
そう言いかけた譲に、真梨子は自ら抱きついた。
「……そうじゃなくてね、こんなふうに準備してくれたのが、すごく嬉しいの……! クリスマスなんて、もうずっと一人で過ごしてた。今年も一人だと思っていたから……一緒に過ごせることが嬉しくて……」
譲は真梨子を抱き上げると、料理が並んだテーブルの前のソファに座らせる。その隣に腰を下ろすと、氷の中で冷やされたシャンパンを手にとり、栓を開けた。
「付き合って最初のクリスマスだよ。一人にするわけないじゃないか」
グラスにシャンパンを注ぐと、片方を真梨子に手渡す。
「二度目のクリスマスに乾杯」
グラスを合わせた後、真梨子はシャンパンを口に含み、改めてテーブルの上の料理に目をやった。
真ん中には五段のケーキスタンドがあり、そこにはオードブルやケーキなどが並んでいた。
「アフタヌーンティーみたいね」
「そうなんだ。今日までホテルで出していた、クリスマス限定のアフタヌーンティーのメニューを届けてもらったんだよ。これなら冷めても美味しいかなと思ってさ」
「可愛い……平日は仕事だし、なかなかホテルのアフタヌーンティーに行こうなんて思いつかないのよね」
真梨子がどれから食べようか悩んでいる姿を、譲は目を細めて見つめていた。その視線に気付き、少し戸惑いながらスコーンに手を伸ばす。
「……何? そんなに見られると食べにくいんだけど……」
「うん……初めてのクリスマスを思い出してた。楽しかったよな……観光して、昼は確かご当地ラーメンだった! それから朝まで真梨子を抱き続けた……」
「そうね……」
笑みが溢れた真梨子の口を塞ぐと、譲はそのまま彼女をソファに押し倒す。そのキスに応えるように、真梨子も譲の背中に手を回し、口を開いて彼の熱を受け入れていく。
呼吸を乱した譲は、真梨子を見下ろしながらスカートを捲り上げる。しかし真梨子は慌ててその手を止める。
「こんなところで……⁈」
だが譲の手は止まらず、真梨子ストッキングの上を撫で始めた。
「いいんだよ……ここに座るたびに、真梨子の乱れた姿を思い出すなんて最高じゃないか」
「あなたね……」
すると譲がニヤッと笑って、真梨子の唇を舌でなぞる。
「なぁ真梨子。俺と勝負しないか?」
「勝負? どんな?」
「これから俺が十分間、真梨子を気持ち良くさせる。真梨子がその間に絶頂をむかえるか、俺を欲しがったら、俺の勝ち。我慢出来たら真梨子の勝ち。負けた方は、勝った人の言うことを何でも聞く」
「何でも?」
「そう。どう? 勝負する?」
真梨子は口を閉ざして悩んだ。何でもだなんて、魅力的なお誘い。でも十分も我慢出来るかしら……。
「……せめて五分にして。それとも五分じゃ私をイカせられない?」
真梨子が不敵な笑みを浮かべると、譲は居ても立っても居られず、貪るようにキスを繰り返す。
「品行方正な真梨子のセリフとは思えないくらい……ゾクゾクするよ。いつからそんな魅惑的な女になったんだい?」
「……あなたの前だけよ。こんなこと、譲以外の人に言わないし、言ったこともないわ」
「いいね……じゃあ五分後、その可愛い口から甘い声をたくさん聞かせてもらうことにしよう」
譲はスイッチが入ったように、唇を舌舐めずりした。