貴方の残り香〜君の香りを狂おしいほど求め、恋しく苦しい〜
黙り込んだ真梨子を前にして、茜は事態を察知した。もう遅かったのか……。
茜は大きく息を吐くと、頬杖をついた。
「真梨子さ、『一番好きな人とは結ばれない』って言葉、知ってる?」
「知らない……そんな言葉あるの?」
「あるのよ。二番目に好きな人と結ばれた方が幸せっていう意味なのかなって思ってたんだけど、それだけじゃないみたいなんだよね」
「どういうこと?」
「一番好きな人だと、素の自分が出せなかったり、気持ちが重くなったり、理想と現実のギャップに悩むらしい。とはいえ、ほとんどの人はが一番好きな人と結婚してるらしいけど……」
茜の言いたいことが伝わり、真梨子は目を逸らした。
「その人は真梨子の体が目的なの。セフレに恋したら、気持ちを伝えるなんて出来ないんだよ」
「わかってるわよ……」
「しかも真梨子、四月からは教師になるんだし、そんなことがバレて問題になったりしたらどうするの?」
「……」
「そろそろ潮時じゃない?」
茜の言うことは正しい。彼との関係を続けるにはリスクが伴う。
なのに、芽生えたばかりのこの気持ちをなかったことにするのは、あまりにも辛すぎる……。
茜は大きく息を吐くと、頬杖をついた。
「真梨子さ、『一番好きな人とは結ばれない』って言葉、知ってる?」
「知らない……そんな言葉あるの?」
「あるのよ。二番目に好きな人と結ばれた方が幸せっていう意味なのかなって思ってたんだけど、それだけじゃないみたいなんだよね」
「どういうこと?」
「一番好きな人だと、素の自分が出せなかったり、気持ちが重くなったり、理想と現実のギャップに悩むらしい。とはいえ、ほとんどの人はが一番好きな人と結婚してるらしいけど……」
茜の言いたいことが伝わり、真梨子は目を逸らした。
「その人は真梨子の体が目的なの。セフレに恋したら、気持ちを伝えるなんて出来ないんだよ」
「わかってるわよ……」
「しかも真梨子、四月からは教師になるんだし、そんなことがバレて問題になったりしたらどうするの?」
「……」
「そろそろ潮時じゃない?」
茜の言うことは正しい。彼との関係を続けるにはリスクが伴う。
なのに、芽生えたばかりのこの気持ちをなかったことにするのは、あまりにも辛すぎる……。