貴方の残り香〜君の香りを狂おしいほど求め、恋しく苦しい〜
海ほたるに着いてから、二人は早めの昼食を済ませると、海のそばまで行ける広場まで階段を降りていく。
風が吹き抜け、日差しが暖かく心地良い。柵に寄りかかり、空を見上げた。鳥も気持ち良さそうに飛んでいる。
「すごいね、海から自分たちが暮らす場所を眺めるなんて」
遠くに見える東京の街並みを見ながら、真梨子は深呼吸をした。譲も同じように柵に寄りかかる。
「ここに来るの、初めて?」
「まぁね。あなたともここには来なかったし。でも……たとえば夫婦でこういうところに来るのって当たり前なのかしら」
「さぁどうかな……。いろんな夫婦がいるからね」
「自分たちのことしか知らないから、普通の夫婦像がわからないのよね」
「……なぁ、ご主人のことを聞いてもいいか?」
真梨子はしばらく黙り込んだ後、静かに頷いた。
風が吹き抜け、日差しが暖かく心地良い。柵に寄りかかり、空を見上げた。鳥も気持ち良さそうに飛んでいる。
「すごいね、海から自分たちが暮らす場所を眺めるなんて」
遠くに見える東京の街並みを見ながら、真梨子は深呼吸をした。譲も同じように柵に寄りかかる。
「ここに来るの、初めて?」
「まぁね。あなたともここには来なかったし。でも……たとえば夫婦でこういうところに来るのって当たり前なのかしら」
「さぁどうかな……。いろんな夫婦がいるからね」
「自分たちのことしか知らないから、普通の夫婦像がわからないのよね」
「……なぁ、ご主人のことを聞いてもいいか?」
真梨子はしばらく黙り込んだ後、静かに頷いた。