貴方の残り香〜君の香りを狂おしいほど求め、恋しく苦しい〜
真梨子はシャワーを浴びながら今後のことについて頭を巡らす。
両親と連絡が取れたとはいえ、すぐに行ける距離ではない。だとしたら証人はどうしたらいいだろうか。
友達? 最近は私から連絡を絶ってしまった。でも今なら……そう思い、真梨子は頷く。
浴室から出ると、譲からもらった下着を身をつけパジャマを着る。そしてスキンケアを済ませると、ドアを開けて外に出た。
しかし部屋に戻った真梨子は驚きのあまり固まってしまう。ソファに座っていた譲が、背もたれに肩肘をついて、笑顔で真梨子に手を振っていたのだ。
「お疲れ様。呼び鈴押しても出ないから、勝手に入って待たせてもらったよ。湯上がり真梨子もそそるね」
「……あなたね、私が裸だったらどうしたわけ?」
「真梨子の裸なんて見慣れてるし。それに真梨子は二人で入った時以外は、必ず着替えて出てくるって知っているからね。それにしても、そのパジャマ……」
シルク素材のピンクのパジャマを見つめ、譲は目を細めて唇を舐める。
「寝る時はパジャマが落ち着くのよ」
「素材はシルク? なかなかセクシーじゃないか」
譲の目がいやらしく光ると、真梨子は急に恥ずかしくなる。私はまだ離婚していないし、そういう目で見るのはやめてほしい……じゃないと、私の中の女の部分が目覚めてしまう。
真梨子は戸惑ったように目を逸らした。友達と言い張っているのに、それ以上の関係を望んでしまいそうになる。
傷つくのが怖くて自分から離れた。しかも彼の真意がわからない今、下手に動いて同じような失敗はしたくない。
それに見慣れてるとはいえ、十二年も前のこと。あの頃と違うことは、自分自身が一番よくわかってる。
両親と連絡が取れたとはいえ、すぐに行ける距離ではない。だとしたら証人はどうしたらいいだろうか。
友達? 最近は私から連絡を絶ってしまった。でも今なら……そう思い、真梨子は頷く。
浴室から出ると、譲からもらった下着を身をつけパジャマを着る。そしてスキンケアを済ませると、ドアを開けて外に出た。
しかし部屋に戻った真梨子は驚きのあまり固まってしまう。ソファに座っていた譲が、背もたれに肩肘をついて、笑顔で真梨子に手を振っていたのだ。
「お疲れ様。呼び鈴押しても出ないから、勝手に入って待たせてもらったよ。湯上がり真梨子もそそるね」
「……あなたね、私が裸だったらどうしたわけ?」
「真梨子の裸なんて見慣れてるし。それに真梨子は二人で入った時以外は、必ず着替えて出てくるって知っているからね。それにしても、そのパジャマ……」
シルク素材のピンクのパジャマを見つめ、譲は目を細めて唇を舐める。
「寝る時はパジャマが落ち着くのよ」
「素材はシルク? なかなかセクシーじゃないか」
譲の目がいやらしく光ると、真梨子は急に恥ずかしくなる。私はまだ離婚していないし、そういう目で見るのはやめてほしい……じゃないと、私の中の女の部分が目覚めてしまう。
真梨子は戸惑ったように目を逸らした。友達と言い張っているのに、それ以上の関係を望んでしまいそうになる。
傷つくのが怖くて自分から離れた。しかも彼の真意がわからない今、下手に動いて同じような失敗はしたくない。
それに見慣れてるとはいえ、十二年も前のこと。あの頃と違うことは、自分自身が一番よくわかってる。