もう一度君に、
その次の日も、また次の日もいくつかのクラブを体験し、最終的に私は美術部と陸上部で悩んでいた。
体を動かすのは好き。
でも小さい頃から絵を描いたり、モノを創ったりするのも好きで、どちらもなかなか選べなかった。
優順不断な私は1週間以上も悩み入部届け締切日までかかった。
真唯も楓ちゃんも陸上部に入部届を出したものだから、半分流されるように私も陸上部に入部を決めた。
放課後、教室の掃除をしていると
「へぇ〜、紗奈は陸上部に入るのか。
今度勝負するか、ぜってー負けないけどな」
またちょっかいをかけてきたのはよっしーだった。
「ふん、いつかあんたなんかより早く走ってやるもん。そもそもあんたになんか負けてないけど」
「なら今勝負するか?俺を捕まえてこの入部届けをとったら勝ちな」
「はぁ?てか何勝手に取ってるのよ!」
よっしーは私の入部届を持ち教室を出ていった。
私は慌ててほうきを握ったままよっしーを追いかけた。