もう一度君に、
放課後、教室に2人。
「紗奈、お前のせいだからな」
静かな教室によっしーの声が響いた。
「私だけのせいじゃないからね。だいたい始まりはよっしーだから」
「紗奈、怒ってる?」
「怒ってるよ」
「わりかったよ。
なぁ、なんで陸上部にしたんだ?」
「別に理由はないけど、走るの嫌いじゃないし。なんとなく」
「色白なのに真っ黒なるぞ」
「日焼け止め塗るもん」
「でも、紗奈が陸上部だといつでも見てやれるな」
「別に見てもらわなくていいよ」
「いいや、見るよ。お前危なっかしいからコケないかちゃんと見といてやる」
「子供じゃないんだし…」
私にとってよっしーは友達と言うより、家族に近い存在だった。
多分他の人が言われるとドキッとしてもおかしくないかもしれないけど、私はなんとも思わなくて、
どちらかと言うと少しおせっかいだなくらいに感じていた。