もう一度君に、

初めての中間テストも無事に終わり、テストが帰ってきた。

毎日塾に通い、テスト勉強もしっかりした甲斐があり手応えはあったものの、母との約束があったため、テストの返却時はドキドキしていた。


全てのテストが返却され結果は、数学・国語・理科・社会は全て90点代、英語は100点だった。


「紗奈、テストの合計点数で掛けようぜ」


「よっしーから言うってことは自信あるんだね。」


「さすがに初っ端のテストなら勝てるわ。何掛ける?」


「じゃあ、リプトンの期間限定バージョン1つ!」


「じゃあ俺が勝ったら何でも1つ言うこと聞いてもらうからな」


いっせいのーで合計点数が書かれた成績を見せあった。

『480点』 『479点』


「まじかー、1点差かよ」


よっしーは馬鹿ではないが、これまで小学校のテストでも私に勝てたことがない。ただ、まさか1点差になるとは思ってもなくて正直驚いた。


「リプトンよろしくー。また期末テストで勝負してあげてもいいよ」


私は少し意地悪を言ってやった。

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