もう一度君に、
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなると担任の先生が教室に入ってきた。
「はーい、みんな席に着いてー」
いきなり大きな声で言われたものだから私はビクってしてしまった。
担任の第一印象はさっぱりした体育の先生って雰囲気がダダ漏れだった。
「みんな入学おめでとう!今日から君たちの担任になる濱田 真央《はまだ まお》と言います。担当は体育で、濱ちゃんでもなんとでも好きに呼んでくれて構わないから。
それじゃあよろしくね」
濱田先生の挨拶の後、入学式を終えホームルームまで自由時間となった。
自分の席に戻り、静かに座ると右隣の席のよっしーからまたちょっかいを出された。
「校長の話ちゃんと聞いてたか?
『良いクラス』になるようにだってさ。
お前と同じクラスにいる時点でむりだっつーの」
「あーいちいち鬱陶しい。そんなことで話しかけないでよ!」
名前の順とは言え、どうして隣の席にならないといけないのだろうか。
自分の運の悪さに悲しくなった。
さらに、中学は言葉遣いも綺麗にして、おしとやかなイメージを狙っていたのによっしーのせいで素が出てしまい、中学デビューは台無しとなった。