西園寺先生は紡木さんに触れたい

服が決まった後は、化粧品を買いに行くことになった。



ショッピングモールから隣の百貨店へと移動して、千秋に連れられるがままとあるブランドのカウンターへと連れられて行った。



千秋は店員に「やっほー、ここ使うね。」と声を掛けるや否や、ずかずかと店の中へと入って奥のメイク台に自分の荷物を置くと、紡木に椅子に座るように促した。


理解が追いつかず「え?…え?」と目を大きく見開いて戸惑っている紡木に、千秋は吹き出した。



「言ってなかったっけ?私、美容部員なの。で、ここの従業員ってこと。」


「ええ!そうだったんですか!?」


紡木は更に大きく目を見開いて声を上げた。


「そうなの。さ、お掛けになってください、お客様♡」


そう言って椅子を引いて座るように促す千秋に、紡木は戸惑いながらも椅子に腰掛けた。

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