西園寺先生は紡木さんに触れたい

「すごい…自分じゃないみたい…。」


そういいながらじっと鏡を見つめる紡木に、千秋は満足げに笑った。



「メイクってすごいでしょ?新しい自分に出会えるから。」


「ですね…すごい…。」


未だに鏡を見つめている紡木に、千秋は「ちょっとだけ待っててね。」と声を掛けるとどこかへ行ってしまった。


こうみると、高校生に見えない…かも。


大人みたい…じゃなくても、ちょっとは大人に近づいているみたい。


こんな私を見たら、先生はもっとドキドキしてくれるかな。


隣に並んだ時、生徒と先生には見えないかな。


少しでも釣り合って見えるかな。


< 329 / 367 >

この作品をシェア

pagetop