西園寺先生は紡木さんに触れたい

「まだ浪人生じゃないし。」


そう言って頬を膨らませる紡木に牧野は「じゃあ浪人見込み生。」と更に返した。


体を起こして牧野を睨むも、彼はそんな視線を無視して隣に腰掛けた。


「何してたの?」


「ちょっと考え事〜。」


「泣きそうになるような考え事?」


「うっ、…バレてたの…。」


そう言って気まずそうに苦笑いを浮かべる紡木に牧野は「バレバレだよ。」と返した。

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