西園寺先生は紡木さんに触れたい

「ご、ごめん、俺そんなこと知らずに…。」


そう言って申し訳なさそうな顔をする牧野に、紡木は「いいの、いいの。」と笑い飛ばした。


「私なんて皆を騙して恋愛相談に乗ってたんだから。

牧野くんが言いふらすようなタイプじゃないっていうから特別に教えちゃう。」


紡木は屋上から広がる景色を見つめながら自嘲気味に笑った。


「だから、牧野くん教えてよ。デートの誘い方。」


「俺もそんな得意分野じゃないけど。」


「えー?知ってるんだよ。牧野くんが真衣ちゃんをよくデートに誘ってること。」


牧野の方を向いてニヤリと笑う紡木に、彼は思いっきり動揺して「は!?えっ!?な、なんで…。」と言って顔を赤くした。

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