西園寺先生は紡木さんに触れたい

「女子のネットワークを舐めたらいけないよ。」


前のめりになって頭を抱える牧野に、紡木はそう言った。


「で、どうやって誘ったの?」


「はあ?…普通にここに行こうって誘ったんだけど。」


照れ隠しなのか真っ赤な顔してぶっきらぼうに答える牧野に、紡木はこっそり笑いを堪えた。


「じゃあどうしたらそんな勇気でるの?」


紡木の言葉に牧野は「うーん…。」と悩んだ後、「練習あるのみ!!」と大きな声を出した。


「俺に練習で言ってみれば良いんじゃない?要は慣れだよ、慣れ。

さあリピート・アフター・ミー。『デートに行かない?』」


紡木は戸惑いながらも小さな声で「デートに、行かない?」と続いた。

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