西園寺先生は紡木さんに触れたい

「まあそんな意地悪な紡木にも良いことを教えてあげよう。

M駅の近くの光の郷っていうところのイルミネーションあるじゃん?
そこにある恋人の鐘っていうのを好きな人と鳴らすと一生一緒にいられるらしいよ。」


「へえ。」


「…その言い方、信じてないだろ。」


「信じてるって。

…光の郷か〜、デートに行かない?うーん…。」


ついでに言い方を練習する紡木に、牧野は「お、俺に言ってるのかと思った…。」と無駄に心臓を高鳴らせた。


紡木は「まさか!」と笑い飛ばすともう一度練習を始めた。


「光の郷、一緒にデートしない?」


わざと牧野の方へ向き直ってそう言う紡木に、牧野は小さく「やめろっ!俺には真衣さんが!!」と溢した。

< 340 / 367 >

この作品をシェア

pagetop