西園寺先生は紡木さんに触れたい
「どんなに夜遅くに出掛けても、先生が守るって言ってくれましたよね…?」
潤む瞳でそう言う紡木に、西園寺は先日紡木に言った言葉を思い出して「ああ、うん。」と頷いた。
紡木は少し間を開けてから意を決して口を開いた。
「今週の土曜日、光の郷っていうところのイルミネーションを見に行きたいんです!だから…。」
光の郷で、デートしませんか?
その言葉が言えずにもじもじしている紡木に、西園寺は少し息を吐いてから「…いいよ。」と返した。
ぱあっと顔を綻ばせて西園寺を見上げる紡木に、「じゃあ土曜日、お家まで迎えに行くから。また時間教えて。」と言って身を翻してスタスタと行ってしまった。
そんな西園寺に違和感を感じながらもやっと誘えて、しかもOKまでもらえた紡木は誰もいない廊下で嬉しさのあまり飛び跳ねた。