西園寺先生は紡木さんに触れたい





それからはどうやって帰って、どうやって土曜日までの時間を過ごしたのか西園寺自身でもわからない。


ただ隣のクラスの平垣内先生に「だいぶやつれてるね。」と心配された以外は何も言われなかったので、なんとか通常通りのスケジュールはこなせたのだろう。


紡木との約束の時間に合わせて家を出ると、車へと乗り込んだ。



こうして紡木さんが俺を頼ってくれるのも今日で最後なのかもな─



きっとデートした2人は付き合うことになって、そうしたら紡木さんは俺ではなくて牧野くんを頼るようになって…


そしたら俺は、もう紡木さんに関わることもできないんだろうな。


西園寺がそうぽつりと心の中で呟くと、今までの紡木との思い出が頭の中を駆け巡った。



< 347 / 367 >

この作品をシェア

pagetop