西園寺先生は紡木さんに触れたい
『チョコレートは、完全栄養食品なんです』
そう言ってやつれていた僕にの手にチョコレートを落とした紡木さん。
『…ごめんなさい、私帰らなきゃなので。』
夕陽に照らされた顔に、大粒の涙が光っていたあの日。
『綺麗ですね。』
夏の夜空に浮かぶ花火にそう呟く紡木さん。
『私、きっと、先生の気持ちには一生応えられないです。』
『せんせ、一緒にいて…。』
そう言って僕に縋るような目で見つめていた紡木さんは、もういない。