西園寺先生は紡木さんに触れたい
「僕から言うから。」
真っ直ぐ見下ろす視線に紡木は目を逸らせずにいた。
「紡木さん。」
西園寺はじっと見下ろすように紡木を見つめる。
「紡木花奏さん。」
「は、はいっ、!」
急に下の名前も呼ばれて、ドキリとした紡木は思わず勢いよく返事した。
「僕は、紡木さんが知らないうちに、紡木さんにいつも助けられていたんだ。
紡木さんは僕が救ってくれたって言ってくれたけど、僕の方がいつも…救われてるんだ。
こんな僕のことを好きになってくれてありがとう。
僕と、付き合ってください。」
そう言って柔らかく微笑んで見つめる西園寺に、紡木はゆっくりと頷いた。